君はノンフィクション

来世もオタクがいい

父親がうちわになる気持ちを知りたいから、父親のうちわを作ってみた

こんにちは、BBACです。
先日、V6ラストツアーのグッズが発売された。
おなじみの長場雄さんのイラストがあしらわれたTシャツや、これまでの楽曲にちなんだ香水など、ハイセンスなグッズはもちろん、メンバー全員40代を迎え、成熟した魅力に溢れたうちわやフォトセットに、他担ながら圧倒された。


「坂本くん、やっぱカッコいいな…
………坂本くん50歳なの!???????


言わずと知れたV6のリーダー、坂本昌行さん。上司になってもらってあしらわれたいジャニーズNo.1の坂本昌行さん。アラサーオタクの私の父と同世代なのである。
思い返せば、既婚や子持ちで現役アイドルの人も多々いる。
そう考えると改めて凄さを実感する。芸能人とはいえ、さすがかっこいいな…自分の父親がうちわになるって、どういう気持ちになるんだろうな…




………うちわ余ってるな。



作るか。

というわけで、自分の父親がうちわになる気持ちを知りたいので、自分の父親のうちわを作ることにした。
ジャニーズオタクはなぜかうちわが家に余っている。そういう生き方をしている。

①父親の画像を切り取る
父親のうちわを作るために、父親の写真を用意する。
あくまで「公式」写真感を出すために、父親の職場のホームページまで見たが、流石に写真が掲載されていなかったので、代わりに母が撮った結婚記念日の写真を使った。

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華美な衣装ではなく、メチャクチャパジャマを着ている。
でもまあ、そういうコンセプトのツアーもあるだろう。
なにわ男子さんもアクスタパジャマだったし…。

使用したアプリは背景透過アプリです。

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②裏面のロゴを作る
顔だけがうちわでは無い。
ツアーで発売される公式うちわは、裏面に名前や、ツアー名が表記されている。
せっかくなので、父親の名前をいれてみた。

使用したアプリはPhonto。
実際のうちわ作りでもお世話になっています。
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Caviar Dreams Italicというオシャレフォントを使って、父親の名前を入れる。

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(※プライバシー保護のため、一部のみ掲載)

iの点を☆にした。アイドルっぽい。

それっぽくロゴが出来たら、なんかツアー名欲しくなった。

ツアー名って何がいいのか、皆目検討がつかない。

人生=旅=Journey=Johnnys

ということで、人生におけるツアータイトルと定義して、座右の銘を聞いてみた。

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(大嘘をブッこむ)

母「No pain、No gain」
弟「疾風に勁草を知る」
父「One for all, all for one.」

メチャクチャツアー名っぽいのが出た。

てかお母さんの座右の銘「No pain,No gain」なの、かっこいいな。
30年間お母さんの子供やってたけど知らなかった。

父の好きな言葉も入れ、うちわ(裏面)が完成。

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一部消してるとマジで意味わからなくなる。


③父親の写真を印刷

ネットコピーで父親の写真を印刷する。
いつもうちわを作る時はB4で印刷しているので、とりあえずB4で印刷してみる。

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ちょうどいい感じになった。
日常的にこの大きさの人間の顔の写真を購入してるけど、よく知る人物がこのサイズの写真に印刷されてるのメチャクチャウケます。

④うちわに合わせてカットする

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うちわに合わせて写真をカットし、貼り付けます。

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出来た。

めっちゃ「お父さん」のうちわだ。

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裏面も「お父さん」仕様に。

家にあるうちわと比べてみる。

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紹介します ハイハイジェッツに所属している作間くん
言動はまあ不思議な方だけど 優しい人
お父さんと一緒で甘党なの
だってお父さんが
「甘党な人間には悪い人はいない」って言ってたし…
ねぇおとーさん

予期せぬ形態の顔合わせとなり、照れました。

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お父さん、娘と同い年のいのおちゃんだよ。



完成したので母にも夫がうちわになる気持ちを味わってもらおうと思い、連絡した。

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父、喜んでいたらしい。
まったく関係ない画像にリプライされていた。



父親がうちわになる気持ちを知りたいので、父親のうちわを作ったら、「父親がうちわになるのはウケる」という感情と、「父親のうちわを作ると父親は意外と喜ぶ」というエビデンスが得られた。




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ラミネートしたらメッチャ反射してるお父さんになっちゃった。


ちなみに私の座右の銘はBoys be ambitiousです。

Naked men ジャニオタ みろ! 裸の俺たちを

気胸になりそうなくらい細い男が好きでよかった。屈強な男が好きだったら、両国花錦闘士をみて狂ってしまっていただろうからーーー by BBAC(2020)




ジャニアイも東京ドームも京セラもないジャニオタのみんな〜〜!!元気ですか?

今年はわたしも例に漏れず、持ってるチケットは全て紙切れとなり、活休明けたガチ恋にも会えず、30代を迎えた自担にも会えず、関ジュ11才の自担の成長を観に行くのも憚られる状況が続いております。

配信等の供給はありすぎるほどあって、HiHi Jetsの配信公演はどれも予想をはるかに超えたものをみせ続けてくれました。

でも、現場、恋しいですよね。(小林製薬

そんなジャニーズ・オタクの皆さんに朗報です。


両国花錦闘士を観た方がいい。


なぜならジャニーズ・オタクのみなさん、絶対好きだから。

わたしも主演の原嘉孝さんのオタクというわけではなく(フォロワーのガチ恋の男という認識)、同じく原嘉孝さんのオタクではない友人からの勧めで観劇を決めました。





両国花錦闘士とは…

両国に爛漫と咲き乱れる力士たちの花舞台・国技館。その土俵の上では、宿命のライバルの取組が始まろうとしている。東はソップ(やせ)型で美形の昇龍(原 嘉孝(ジャニーズJr.))。西はアンコ(ぽっちゃり)型の雪乃童(大鶴佐助)。何もかもが正反対な二人だが、思いは同じ。「コイツにだけは負けたくない!」
熱戦を取材するのは、ワールドベースボール社の相撲雑誌の記者・橋谷淳子(大原櫻子)。野球雑誌の記者志望なのに相撲雑誌の担当になった彼女には、相撲の良さがさっぱりわからない。
稽古の合間の息抜きに、雪乃童は付き人たちとディスコへ繰り出すと、密かに想いを寄せる、部屋の一人娘・沙耶香と鉢合わせする。親方もおかみさん(紺野美沙子)も心配してますよ、と嗜めるが相手にされず撃沈。
昇龍も力士と分からぬようにオールバックにスーツでディスコを訪れるが、鬢付け油の匂いはごまかせない。その甘い香りに誘われるかのように大手芸能事務所パピーズの女社長・渡部桜子(りょう)が現れる。数多の男たちを欲しいままにしてきた彼女は、出会ったことのないタイプの種族・力士の昇龍を篭絡せんとする。
勝利も美女も手に入れるかに見えた昇龍だが、次第に桜子の歪んだ愛情に翻弄され、不調の力士に惨敗を喫するなど、心に乱れが生じる。
昇龍は桜子の欲望に呑まれてしまうのか。雪乃童との勝負の行方は。
淳子の見つめる土俵には、愛と欲望が乱れ咲く。果たして、その先に見えるものは……。



https://www.ryogoku-oshare-rikishi.com



一言でまとめれば、痩せ型イケメン力士を取り巻く、愛憎渦巻く人間群像劇です!
「いや、ジャニオタなのでお相撲さんはちょっと…」という方にもおすすめしたい。
ジャニーズエンターテイメントで脳を殴られた感覚に覚えがある人、全員好きなはずなので。



以下ネタバレですが



・ジャニーズ・オタク大好きな旗がある
・ローラースケートが出てくる
・裸の男が大量に出てくる
・演者全員歌がマジで上手い
・ヒガシが出てきたとおもったらデーモン小暮閣下だった


冒頭5分で既に元が取れます。



とにかく、ジャニーズエンターテイメントを通ったオタクなら、良い意味で既視感のあるエンターテイメントが総出で殴りかかったくるのは壮観です。



また劇中、「相撲は興行・スポーツ・神事の側面を持つ」「相撲は見世物。見世物だからこそあなたは何者にもなれる」「農業漁業畜相撲。少しの娯楽があれば人間は生きていける」というセリフがありました。

わたしがアイドルを好きなのは、アイドルというジャンルがエンターテイメントの総合格闘技であり、時に軽んじられる職業でも、その「何でも屋」的側面があるからこそ、新たな化学反応が生まれることに魅力を感じているので、このセリフが聞けて嬉しかった。

そしてエンターテイメントが軽んじられがちだった2020年という年、エンターテイメントがどうしようもなく好きで、心の支えにしている人間にとって、それらを生業にされている方からの強いメッセージには心打たれました。

また桜子さんが、「わたしの欲望は正しい、わたしの欲望が正しいからわたしが手がけた男たちは売れたの」と自身の欲望を肯定するシーンがありました。
主人公のライバル、雪乃童も、ずっと憧れていた相撲部屋の一人娘に「明日は勝っても負けてもいい。自分の相撲をとってね」と言われるシーンもありました。

この二つのシーンが、特に印象に残っていて。
この物語の根底に「肯定」があり、それがその人をその人たらしめているということが、キャラクターをより愛しやすさに繋がっていて。
譲れないなにかを、それぞれがそれぞれの土俵でぶつけ合って、それを私たちは美しいと感じる。

物語の終盤、昇龍が戦いの中で、「光って、光って、眠れないくらいにしてやるよ」と言い放つシーンは圧巻で、本当にこの舞台を観てよかったと思いました。

「自担」という存在がいる人、カーテンコールの原くんの表情絶対見てほしい。
この舞台を観て、原くんのこの表情をみれて本当に良かったと思ったし、いつか自担のこういう顔も絶対見たいと思わせてくれました。貯金、しよう…。

ざっくりしたことしか言えなかったけど、最高の歌とダンスと演技があって、ちょっと皮肉の効いた演出があって、仰々しくはないのに、プロジェクションマッピングやモニターを駆使している凝ったセットや演出があって、映像も全部良かった。あとスタイリングがほんとに可愛い!

終わった後同担のフォロワーとお茶して「HiHi担絶対両国花錦闘士好きだよね」って話をしたんですけど、同G担絶対好きな演出だし、ハイハイジェッツさんも好きだと思うから観てほしいと思った。

なんとまだチケットがとれます!大阪でも福岡でもやります!!!
12/15にはライビュもやります!!!!!!

https://www.ryogoku-oshare-rikishi.com/ticketinfo

私は二階席上手で見たんですけど、この舞台、どこで観ても絶対楽しい演出になってるので、気軽に観てほしいです!マジで私は誰担の何!?

あと、今日、ひさびさに「現場」で、双眼鏡家に忘れて取りに戻ったりしたんですけど、その取りに帰るムーブとかも「現場」で・・・ああ、こんなに自分は生の舞台に飢えてたんだなあと実感しました。現場、マジで最高。生のエンターテイメント、マジで最高。
早く自担の現場をダイマできる世界ほしい。

それを思い出させてくれた、両国花錦闘士には本当に感謝しかないです。
少しでも多く興味のある方が、この舞台に触れてくれることを願っています!!

マジでエンターテイメントは最高!!わたしの欲望は正しい!!!!

すべてのありふれた光

GRAPEVINEが好きだ。
熱心なファンかというとそうではないのだけど、アルバムは出るたびに買っていて、タイミングが合えばライブにも行く。

思えば自分が中学生のころから好きなバンドだから、もう15年近く聴いてることになる。

1ヶ月半ぶりに来たEXシアターは、私の知ってる姿とだいぶ違った。グッズ売り場はドリンクカウンターだったし、バルコまわりって常設のセットではないんだ、と思い出したし、ミラーボールや壁にLEDもある箱なんだって初めて知った。

その日気温は29度あって、田中も「今年はなかなか秋が来ないね」と歌詞のようなことをMCで話していたけれど、外に出た時の空気はやっぱり秋のそれだった。



GRAPEVINE - 光について (J-WAVE/Hello World studio live)


「光について」という楽曲がある。
GRAPEVINEのなかではキャッチーなほうに入る、人気のある曲だが、聴き始めた15歳の自分には特に思い入れのある曲ではなかった。

就職活動中、わたしはかなり要領の悪い学生だったので、4年の9月になっても就活をしていた。
もう何故志望したかわからないような企業を闇雲に受けて、そして落ちまくっていた。
その日も第何志望かわからない企業の待合室で面接を待っていた。

その時、ほぼ環境音と化した有線のなかから聴こえてきたのが、「光について」だった。

この曲の歌詞のストーリーとしては、すれ違ってしまった恋人たちの曲だが、その時の自分の心情に当てはまりすぎて、面接会場のトイレで泣いた。そしてその企業は普通に落ちた。

音楽に限らず、エンターテイメント全般にたいしてすごいと思うのが、人に大きい影響を与えるわけでなくても、人生の背景になって、折々でそれを思い出させる力があるということだ。
「光について」を聴く度に、なにも手に入れないのに、勝手に何かを失ったような気でいた23歳の自分を思い出すし、EXシアターで聴いた「光について」は15歳の頃の自分も23歳の自分も通り過ぎて、同じこの場所で大事な時間を過ごした自分にはまた違った意味合いを持った。



9月8日の帝国劇場での話をする。
たまたま譲ってもらえたのが9月8日の夜公演で、台風が近づく強風の中、ひとりで入った。
界隈のざわつきは自分の耳にも入っていたけれど、自分自身はそこまでダメージもなく。
けれども、SNSで度を超えたコメントが飛び交う様や、仲のいい友人が戸惑ったり憔悴する姿のほうが、正直自分の精神にはきた。

いつもの現場のような、100%楽しめる気持ちで入ったかというとそうではなかった。
ただ、幕が上がって、新生DREAM BOYSを見た瞬間から、そういった不安な気持ちは払拭された。
エンターテイメントってすごいと、打ちのめさせれた気すらした。

単純に楽しんで、HiHiのバトンミスもなくて、わたしが見る限り、いつも通りのHiHi Jetsで、いつも通りのわたしが好きな人達だった。

DREAMERで5人で手を組んで回るところがあって、作間くんも含めてみんな少し変顔しながら顔を見合わせて笑っていたのが見えた。わたしはそれをみて「ああ、大丈夫だ」と思ったのだ。

なんの根拠もない感想だし、実際その週明けから活動自粛が発表されて、自分の見たものと、状況の剥離になかなか感情がついていかなかった。

わたしは我が強いけれど、メンタルは決して強くなくて、ついついうまくオタクができないときもあるけれども、ただ、あの時自分が見たものを信じていたい。わたしが大切にしたいものは、たぶんステージの上にしかない。


GRAPEVINE - すべてのありふれた光 (Music Video)


EXシアターで聴いた、「すべてのありふれた光」自分にとってまた大切な曲ができたと思えた。
また次聴くとき、違う意味合いを持って聴けたらいいな。

コンクリートなんかかち割ってしまえよ

サマステ公演、千秋楽おめでとうございます!

私のサマステは一足先に先週で終わってしまいました。
去年、軽い気持ちで行ったEXシアターからあっという間に一年。
その時の自分から想像もできないところに、HiHi Jetsは私を連れてきてくれた。
去年1人で入ったEXシアターには、あれからHiHi Jetsを通じてできた友人や、私の話を聴いて、興味を持ってくれた友達が一緒に入ってくれた。

ありがたいことに昨年のサマステからHiHi Jetsの現場には何回か行くことができて、その度にやっぱりHiHi Jetsというグループ最高だな!大好きだな!という気持ちでいっぱいになっていたけれど、去年のサマステはやっぱり自分にとって特別だった。

EXシアターの狭いステージを猛スピードで駆け抜けるHiHi Jets、ファンサする優しい眼差しの猪狩さんの横顔、バルコ下から見上げて一瞬で恋に落ちた逆光の作間くん。
それぞれが目に焼き付いていたからだ。

正直今年のサマステを観るのがすごく楽しみな反面、怖くもあった。それくらい、あの夏が自分の人生を変えていたから。


まあ結果から言えば、今年の夏、一生で一番楽しい夏を更新しました!ギャルの夏休みの感想?以下脳直です!



HiHi JetsさんのコンサートがHiHi Jetsから始まるの最高すぎないですか?最高なんですけども…。
HiHi Jetsのことを好きになってやっと1年、ステージ上で行われるパフォーマンスが猛スピードの上、超回転で同時多発的に起こるので、何が起こってるのかわからない(わかる)のに慣れてきたかな、と思っていたのですが、やっぱ何度観ても慣れてなかったなと思いました。

まずもういきなり客席に向かってバンクが来たので。もうそれで一回よくわからなくなるの最高なんだよな。なんかもうこれ吊り橋効果じゃん。好きになっちゃうじゃん。もう好きですけど。

Fire!!の橋本涼がいきなりえちえちピンクライトで現れるのほんと何?イントロ即最高になってしまう。

あと今年の本懐おいでSunshine!ですよ。メロが特に爽やかで最初つかみどころない曲だなとすら思っていたんですが、刹那的に「今」だけじゃなく「未来」も地続きに感じさせてくれる歌詞なのが嬉しかったな。C&Rが謳歌!な曲はそもそも最高。

あと前半で個人的に好きだったのが、7MEN侍→橋本涼→Garryのイベンターが狂った対バンの流れです。

矢花くんが千秋楽でいかに安全にダイブするかを考えながらこの1週間労働してる。りんねちゃんに手伝ってもらう…?のが一番安全だと思う。
あと9mm Parabellum Bulletの滝さんを思い出すほど暴れる矢花くんの脇でシレッとギター弾くこんぴ、綺麗だよ…。こんぴ、めっちゃ綺麗だよ…。
元高くんのラップ癖になるからアイランドTVにラップ動画欲しい。あと大光くんはチャイナの角度がどんどんヤバくなって行きそうなドラムで好きです。

あとはこのブチ上げのSAMURAIの後に、しっとりシンガーソングライターRYOのソロが始まるの流れがヤバイ。なんかしらんけど曲中橋本涼の後輩の人格生まれて、あの瞬間橋本涼さんのこと「涼先輩」って呼んでる。橋本涼の好きなタイプ、「年上、後輩」ってそういうことなのかな。
最後のカットが日が経つごとにどんどん露出とシチュエーションがやばくなっていたのも橋本涼最高音頭でした。そういえば作間くん、カメラ見つかった?



ところで、フォロワーからの私の認識はほとんど"作間くんにガチ恋してる人"だと思う。
それも誤りではないけれど、やっぱり"自担"は猪狩蒼弥なんだよな、としみじみ実感した。

自分にとっての自担は、理論ではなく腑に落ちる、という存在で、猪狩蒼弥を知ってから、答え合わせのようにパフォーマンスやしゃべりや、ダンスの癖や、語彙や、表情や書く詞のありとあらゆる角度から「この人、私の自担だなあ」という気持ちにさせてくれる。

別に好きなアイドルなんて優劣もないし、人と比べるような事ではないけれど、猪狩蒼弥のソロの"Fence"を初めて観た瞬間、確かに私は「勝った」と思った。
300人いると言われるジャニーズJr.の中で、自分が1人のアイドルを勝手に"選んで"、そのアイドルがあの曲をあの世界観でやってくれたこと。
宝くじを当てたとか、万馬券を当てたような、ギャンブルに勝ったような気持ちになってしまった。

ネタバレ禁止の箝口令が敷かれ、ありとあらゆる歴戦のオタクが集う中でも「誰の曲かわからない…」と困惑され、「自作なのでは…」と囁かれた末の「作詞作曲猪狩蒼弥です」は、万馬券ですよ。心の。作曲も!?

オーケン椎名林檎鳥肌実を通ったオタクなので、本当にたまらなかった。
あの曲調で三揃いのスーツを衣装に選んでくるセンスや、美しい骨格が際立つ角度で歌う狡さが、やっぱり好きで、作るものがすきだとやっぱ目が離せなるから怖いとすら思った。
あとサウンドも好きで…家で重めにイコライザ弄って聴きたいサウンドだった。
あと曲中猪狩蒼弥さんが矢花くんに摑みかかる演出有るんですけど、2人ともタイプの違う骨格美しい人なのでめっちゃそこクゥーーーーってなる。

あとどのくらいまで意図してるのかしてないのかだけど、猪狩蒼弥さんのメンバーカラー緑じゃないですか。
ステージのライティングもグリーンだし、ペンラも自ずとグリーンで会場染まるわけで、その中でアクセントで赤い文字が映されると、補色の効果も相まって、非常にアシッドな雰囲気が出て興奮しました。
野獣死すべしとか、昔の日本映画ぽさを感じるライティングでもあって、そういう背景を勝手につけたくなる演出でした。Fence、もう一回生きてるうちに見たい あの演出で見たいよ…。



まあ猪狩担がFenceで死んでる次にSugarがくるんですけど。My Sugar間くん、夜道の猫みたいな目をしてて好き。指のリズムの取り方がいい。普段から作間くん足3mあるのに、Sugarの時なんか8mある。
Sugarみじゅきの「悔しいくらい上手に笑う」というパートすごく好きで、みじゅきのオタクの命の心配をしてしまう。心の中でいつも「みじゅきのオタク殿ーーーっ!?大丈夫でござるかーーーー!?」って呼びかけている。
なにもかも幻間くん、嘯く間くん。作間くんと「嘯く」って単語の相性良すぎて記憶飛ぶ。
あとSugarに限らずなんですが、髙橋優斗さんの歌う時の表情、表現力がめっちゃ上がっていってるなと感じました。一曲の中でもいろんな表情で一本調子にならない緩急を、表情でつけていっているのが印象的だった。


Christmas morningの演出めっちゃ好きなんですよね。ダフトパンクHiHi Jetsで。
各々のダンスの癖がわかりやすく出る曲だなと思いました。猪狩蒼弥の拍の取り方が好きなんだよなあ、BBACお。
あとChristmas morningからYellow Goldの繋ぎ方、緩急がカッコいい。
矢花くんのギターソロに繋げるの好き。あそこの矢花くんもかっこいいし、バチで矢花くんの方指すJetsも好き。

みんなお馴染み太鼓のYellow Goldだけども、ドーム公演で結構他担がザワついてたのが印象的だった。我々太鼓のYellow Goldに慣れてしまっていた…?
でも太鼓にもキャスターつけてローラーやりながら太鼓叩くの、知恵の勝利の演出で好きです。
Yellow Goldとかのあのブルー系のライトの中でラップする猪狩蒼弥めっちゃ好き…アイランドの猪狩ラップカッコ良かったな…。
余談ですが杖持ってスケボー乗ってる7MEN侍、目が合うと戦闘が始まる感じだよね。


そしてOne Kiss。猪狩担としてまずOne Kissの繋ぎでスーパー猪狩蒼弥タイムがあるのが最高です。自担が速すぎる瞬間が一番猪狩蒼弥のオタクやってて楽しい瞬間かもしれない。うそ、他にも色々あるわ。
ダンスとかもわりとゴリゴリオラオラするタイプだけど、猪狩さんの手の表現ってすごく優美な印象を受けるので、こういう振りの猪狩さん一公演で必ず一回は観たいな。First Loveの時の猪狩さんすごい綺麗だった。

One Kissは特に私猪狩さんのダンスが好きだな…と実感できる曲。
好きな音楽って自分の身体の水が揺れるのが気持ちよく感じる。人間の身体がやっぱり水で出来てることを自覚する。
One Kissでは猪狩さんの身体のでどういう風に音楽が流れてるのか、身体の中の水がどういう風に揺れているのかというのが可視化できるような気がして、頭のてっぺんから、指先、つま先隅々まで音楽が流れてるダンスをしてるのが分かる。
ダンスに関しては門外漢だけど、感覚的にそう思わせてくれる猪狩さんのパフォーマンスがすごく好きだな。
なので何かしらでOne Kissの猪狩さん観る方は全身引きで観てほしいな、と思います。

あとなんか書こうと思ってたことの箇条書きにあったから脈絡なくそのまま残すんですが、約束を交わそうの小指立ててる橋本涼さんセクシー過ぎない?動揺した。


セトリ禁は重々承知していたんですが、GULITYのイントロ流れた瞬間「なんで誰もGULITYのこと教えてくれなかったの!?」ってなりました。
そもそもHiHi Jetsと7MEN侍が出てくる時点でステージ上に好きな男しかいないんですが、GULITY選抜そこからさらに好きな男しかいなくて、好きな男が揃いも揃って不倫の歌歌うので狂うかと思った。
自分のパートじゃない時の猪狩蒼弥のダンスすごくセクシーだったのと、衣装がベストだった猪狩さんと作間くんがバーテンにしか見えなくて…。付き合っちゃいけない3Bのうちの1つのバーテンに見えた…。勝手にGULITYの猪狩さんのこと「オーナー」って呼んでた。心の中で。GULITYの作間くん足が長すぎたし、作間くんと結婚してるのに作間くんと不倫してるという謎の現象が起きた。
あとGULITYのこんぴの美しさ、GULITYでした。GULITY選抜の中で、一番GULITYみの強い美しさだった。
あと矢花くんがクラプトンみたいな顔でギター弾いてた。






あの…新郎のサプライズの話していいですか?
この曲だけエントリー分けようかなとすら思ったけど、次から次へとこちらの感情の起伏を考えず畳み掛けてくるのがHiHi Jetsが最高である所以なので…。

そもそも、私のサマステ初めが8/5の昼公演。勘の良い方ならお分かりになると思いますが、作間くんが前髪ご開帳してきた公演です。登場直後に一緒に入った友人が「えっ?顔合わせ?」って言ってきた。

作間くんが出てくる。デコ出しの結婚が強い髪型で。歌う。えっ、私の好きなHey!Say!JUMPのRomeo & Julietじゃん。僕たち 作間&作間♪………僕たち 作間&作間⁉︎

僕たち!?

後ろに作間くんのうちわ持った7MEN侍がおどけながら出てくる。新郎友人⁉︎

初日、自分がいたのがたまたまドセンの位置でした。
行った方なら想像つくと思いますが、強すぎる。結婚力が強すぎて体が破裂するかと思った。
その後何回観ても慣れないままでしたが、連番した友人や、たまたま近くで見ていた友人がやたら作間くんのソロ中私の顔を見てくるのがマジで勘弁して欲しかった。何回観ても照れてニヤニヤしまってた。慣れない。なんかもうこれ逆にホームビデオ画質で映像残して欲しい。
おそらく、これもし少クラとかで映像化されたとしてもあそこまで"結婚"ではないと思うので、本当にコンサートってやっぱり生き物だな、と思った。貴重なKekkon Exprienceでした。



最後の曲の前に、髙橋優斗さんから挨拶があった。HiHi Jetsの"伝説のグループになる"という目標、途方もない夢のようだけど、私はHiHi Jetsの無茶苦茶なようで着実な仕事ぶりが好きで。

HiHi Jetsの若さをエモとして消費したくないな、と好きになった時からずっと思っている。
16歳の夏だって、10代最後の夏だって、28歳の夏だって、40歳の夏だって、当たり前だけど全部が全部一度きりだ。
去年と比べてもHiHi Jetsを取り巻く環境は、外野でしかないオタクから見ても随分変わったし、未来がどうなるかなんて誰もわからない。
けれどもHiHi Jetsが見たい未来、見せたい未来を信じていきたいな。

Eyes of the Future、一見すごく爽やかでジャニーズらしい曲調だけれど、今っぽいギミックの効いた曲で、すごくそれがHiHi Jetsらしいなと思った。サラッと王道のようで、シレッと個性を出してくる。HiHi Jetsの"らしさ"自体も、まだまだ開拓中なんだろうけど、初めて聴いた時に"らしいな"と思えたのがなんだかくすぐったかった。



サマステ期間中の伝記の中で、猪狩さんが猪狩担全員メロるブログを更新した。
有料ブログなので詳細は差し控えるけれど、この人たちを好きになって良かったな、と心の底から思った。

私は私のためにオタクをやっていて、それ以上でも以下でもないと思っている。
それでもエゴとして、自分の好きなアイドルが、「アイドルやってて良かったな、楽しいな」と思ってて欲しいなと願ってしまう。
件の猪狩さんのブログに、その片鱗というか、気持ちを重ねてしまった。
HiHi Jetsのオタクとして勝手に幸せになるので、HiHi Jets思うままに生きて欲しい。






最後に偉大な先輩の一言を紹介します。

「夏の終わりは自分で決める」 by高木雄也

自担のいない横浜アリーナに行ってきた

※PAGESツアーのセットリスト・内容に触れています。




松島聡ちゃんが休養してから、半年が経った。わたしは"自担"が沢山いるタイプのジャニオタで、聡ちゃんが休んでいる間にも楽しい現場がいっぱいあった。
ただ、どう受け止めていいのかわからないという感情が大きかった。一番辛いのは本人だと思う。でも楽しいことがいくらあったって、人間にはそうそう替えなんか見つからない。

聡ちゃんのいないままツアーをするという決断をSexy Zoneがした時、寂しい反面、どこか安心している自分もいた。4人がしっかりSexy Zoneという生き物を生かそうとしてくれているということが嬉しかった。

自分の中で聡ちゃんは、特にパフォーマンスに特化した"好き"の自担だ。ルックスや、チャーミングな表情や、優しくてちょっとトボけたキャラクターも大好きだけど、ステージ上の聡ちゃんの鬼気迫る雰囲気は、各々が違った華を持っているSexy Zoneの中にいても、一際自分の目を惹いた。
ダンスはもちろん、ステージ上にいる時、アイドルとしてパフォーマンスしている時に独特の"気迫"があって、カッコいい曲だけではなくて、可愛い曲でも、爽やかな曲でも「僕を見て!」と身体じゅうで叫ぶような、産声のようなパフォーマンスをする。
アイドルという仕事を愛してくれているんだな、と思わせてくれる聡ちゃんをコンサートで観るのがわたしは大好きで、集中力のない自分がじっと飽きずに眺めてしまうのが、聡ちゃんだった。

SexyZoneのコンサートに入った回数は少ないけれど、それでも毎年「あともう一回観たかったな!」と思えるコンサートをしてくれるのがSexyZoneだ。
聡ちゃんのいないコンサートでも絶対楽しいだろうなという確信はあったので、迷わず申し込みをした。

結果から言えば、PAGES魂最高でした。
曲の良さから、演出の良さ、衣装の良さ、そして遊び心として含まれている狂気、どれを取っても最高だった。

わたしが嬉しかったのはSexyZoneが聡ちゃんの不在を感じさせてくれなかったことだと思う。聡ちゃんがいないことで"欠けた"と思わせないパフォーマンスをしてくれたことが私はとても嬉しかった。
その反面、「ここに聡ちゃんがいたらな」と思う瞬間もあった。"UNSTOPPABLE"という激カッコいい曲がある。
演出、振り付け共にカッコよくて、自担贔屓の目線では「あ、これ聡ちゃん絶対似合うやつだ」と思った。
聡ちゃんのパートで聡ちゃんの声がしなかった時より、もしかして一番不在を感じた瞬間だったかもしれない。

最後のあいさつで勝利くんが「ペンライトが5色に光っているのがうれしい」と言ってくれた。
勝利くんらしい、やさしい素朴な表現で、聡ちゃんだけではなく、聡ちゃんが好きな"私たち"がこの場にいることを喜んでくれた勝利くん。その言葉にホッとして、根拠なく「大丈夫だ」と思えた自分がいた。

極端な話、たとえ病気が治ったとしても戻ってこない、そういう選択肢だってある。
でも聡ちゃんのオタクとして、「自分の職業は"美しい"と思う」と言ってくれた聡ちゃんは戻ってきてくれるだろうと信じたいし、聡ちゃんに「やっぱり"美しい"仕事だ」って思ってもらえるような、そんなファンでありたい。

聡ちゃんのいない横浜アリーナも、すごく楽しくて、とても美しかった。そんな景色を見せてくれたSexyZoneのことをより大好きになった。
またここで、聡ちゃんに見入ってしまう日が来るのを、楽しみにしていよう。



生半可な恋

今年の夏で、28歳になった。7年ぶりに恋をしている。
冷やかし半分で行ったHiHi Jetsのコンサートで、作間くんに恋に落ちてしまった。
作間くんは、15歳である。(現在はお誕生日を迎えて16歳になった。)

誤解を受けても仕方ないが、基本、私の恋愛対象は年相応の異性である。上は35歳ぐらい、下は23歳くらいまで。恋愛対象についてあんまり考えたことがないほど、同世代以上の異性しか好きになったことがない。

更に言えば、アイドルに対して、恋愛的な目で見る事はほぼ無かった。熱愛が出ても「そりゃそうですよね」と思えるタイプで、アイドルオタクをやるのに向いてるな、と自負していたが、このザマである。

恋をしている相手を見ている時と、「自担」や「推し」を見ている時の感情は明確に違う。
「自担」や「推し」を見る時の気持ちは、どんなにエモーショナルな高まりを覚えても、やはり一観客としての感情だ。私は自担である伊野尾慧の事を愛している。愛してるとはっきり言えるけれど、その気持ちは結婚したいとか、付き合いたいとかいう気持ちには繋がらない。

それは「自担」への愛は、愛着に近いからだと思う。自然を愛する気持ち、故郷を愛する気持ち、思い出を大切にする気持ち。自分が好きな景色を守りたい、という環境保護に近い視点なのかもしれない。
実際は一オタクとして「自担」を守れる力などほぼないが、矜持は持っている。

一方、作間くんに対して、どんな感情を抱いてるかというと、完全に恋である。シンプルに恋。単純に恋。
一目惚れとまではいかないものの、実際好きになる相手や仲良くなる友人との第一印象は印象的で、何かこれから良いことがあるようなワクワクする気持ちがいつもあった。

初めて彼を間近で見た時、Hey!Say!JUMPの「スクールデイズ」のイントロが頭の中に鳴り響き、なぜか顔に優しい風を感じた。多分あれは中島健人さんのいうところの、"Loveの風"だったと思う。
とにかく、自担や推しに抱く感情とは違う、28歳生身の女としての剥き出しの感情がそこに落ちてきた。

勿論、最初はなかなか受け入れられなかった。相手は15歳だ。15歳って。自分が15歳の時なんか、自我とか芽生えてなかった。
でも、初めて作間くんを見た時、「なんか結婚した記憶ある」とも思ったのだ。正確には「同い年の作間くんと大学時代から付き合って結婚した記憶ある」と思った。
ガチ恋した男が15歳という事実をうまく受け止められず、好きな男の過去を見ているという感覚で15歳にガチ恋することにした。

ガチ恋としてもこれは邪道だと言う自覚はある。でも現実が見られる人間なら、はじめから15歳の男にガチ恋なんてしないのだ。

作間くんのことを何も知らない。アイドルとしての作間くんもそうだし、そうじゃない作間くんのことなんて何もわからない。

でも、例えば自分の身近にいる人間が、私のことをちゃんと理解しているというわけでもない。
この世が三次元である以上、それぞれ自分の視点からしか物事は見ることができない。それに、そもそも恋に「相互理解」は必要なのだろうか。哲学的な考えに至ってしまう。

それでも、作間くんに恋してから、楽しいことがいっぱい増えた。服を買うのも、メイクするのも楽しくなったし、女性ホルモンが分泌されているようで、伊野尾慧のオタクになってから顎に生えるようになった太めの毛が生えなくなった。aikoを聴いて共感できるようになったし、季節の移り変わりを実感できるし、出来るだけ、楽しいことや嬉しいことを考えられるようになったし、仕事の愚痴を言いたくないと気を引き締められるようになった。汚い言葉を使わないように気をつけるようになったし、日常の些細なことを楽しめるようになった。

要するに、恋をしている状態が楽しい。自分が恋に対してこんなにポジティブ気持ちを持てるなんて考えてもいなかったけれど、人を好きになる気持ちを改めて思い出すことができて、嬉しい。

今一番怖いのは、この恋が叶わないことではなくて、この感情が無くなることだ。私は28歳なので、恋愛感情が無くなる、ということを身をもって知っている。

昔、私が今の作間くんぐらいの年齢だった頃、好きなバンドマンがいた。田舎の喪女女子高校生だった私は漠然と「こういう人が彼氏だったらな」なんて物思いに耽っていた。ライブに行くくらいしかしなかったが、ほんのりとしたガチ恋を抱いていた。

それから10年後、東京で働くようになった。いつものように山手線に乗ったら、目の前にガチ恋してたそのバンドマンがいた。
正直、もうその当時全然追ってなかったけれど、好きだった当時の面影があって、なんとも言えない気持ちになった。
ただ、「人生ってこういうことがあるんだな」としみじみと思った。

現実の作間くんとどうこうなることなんて、天文学的な確率だろうけど、人生が思わぬ方向に行くことはこれまでの人生で実感しているので、死ぬまでこの恋を諦めたくない。
もしかして、よぼよぼのおばあちゃんになった時に、おじいちゃんになった作間くんと偶然出会うかもしれない。その日までこの恋を諦めずに楽しく生きようと思う。

最後に、全てのガチ恋している人に捧ぐ名言を紹介します。

ーーーもしかしたらどこかで出会って、付き合って、結婚するかもしれない。だから、無理に好きな人を作らなくてもいいと思う。ただ、今少しでも好きだなって思う人が現れたらその恋をつかみに行ってほしい。今に勝るものはない。遠い未来より、まずは今を大事にしてほしい。オレはゴールで待っているから。
by中島健人(POTATO 2017年4月号 健人のおいでよ恋愛保健室より)

震えて眠れ

 

 『勝手にふるえてろ』、を観た。


 観終わった後に震えが来て、帰りに寄ったカレー屋で泣き出しそうになった。
もう二度と観たくないくらいの、いい映画です。

《あらすじ》

芥川賞作家・綿矢りさによる同名小説の映画化で、恋愛経験のない主人公のOLが2つの恋に悩み暴走する様を、松岡茉優の映画初主演で描くコメディ。OLのヨシカは同期の「ニ」からの突然の告白に「人生で初めて告られた!」とテンションがあがるが、「ニ」との関係にいまいち乗り切れず、中学時代から同級生の「イチ」への思いもいまだに引きずり続けていた。一方的な脳内の片思いとリアルな恋愛の同時進行に、恋愛ド素人のヨシカは「私には彼氏が2人いる」と彼女なりに頭を悩ませていた。そんな中で「一目でいいから、今のイチに会って前のめりに死んでいこう」という奇妙な動機から、ありえない嘘をついて同窓会を計画。やがてヨシカとイチの再会の日が訪れるが……。

 自意識と共感性羞恥に殺されそうになりながらも観終わって、タナソーのKid Aレビューみたいになりながら帰りこれを書いている。(注1)

 私は映画を単なるオタ気質女子のラブコメと捉えられなかった。
恋愛よりも、もっと根幹のアイデンティティを揺るがしてくる物語だ。

 頭の中でただひたらすら物事を考え続けていくのは、実はすごく快感だ。
ヨシカはその快感にすごく酔っていて、普段大人しくて、同僚や同窓会ですらうまく振る舞えないくせに、それが出来る自分のことを特別だと思ってる。
「わたしなんか」と常々言う癖に、自分を特別な存在として扱ってもらいたがってる。

 頭の中でずっと幸せをくれるイチと、現実で自分を特別扱いしてくれるニが実際現れて、くるみちゃん曰く「ヨシカを絶対傷つけない」ニと付き合うか、それとも一番好きな相手のイチを貫くかで揺れる。実は選択権なんてほとんど無いのに揺れる。

 ヨシカの脳内に召喚されるイチがまた良い。
タクミくん、DISH//推しの友人が「タクミ生みたい」と言ってたイメージが強かったけど、すごく大人になっていた…。
あれを中学時代に浴びていたら、「もうこれで生きていく、恋愛しなくていい」って思う。直視出来ない神々しさがあった。

 ヨシカが、イチと本当に付き合えるんじゃないか、ってターニングポイントは、宅飲みの時にいくつかあって、あのイジメを告白された時と、絶滅した動物について話した時。
あそこでうまく巻き返せば、仲良くなれるはずだった。

「中学時代に君と友達になりたかった」って、あところのヨシカにとって最大級の賛辞だったと思う。
たとえ名前を覚えられてなかったとして、あそこで上手く次に繋げられれば、イチを"他者"として扱えられれば、現実のイチとの未来もあったはずだ。

 でもヨシカにはそれができなかった。
イチが自分にとってそうだったように、中学時代のヨシカもイチにとって"特別"な存在でいたかった。そうでありたいというより、"そうでなければいけない"レベルだったと思う。
だからあそこでヨシカは心折れてしまった。

 10年の片思いは、最初は可愛らしい初恋だったろうけれど、その時間と、ヨシカの頭の中での自問自答の末、イチは単なる脳内彼氏なだけでなく、神様に近い存在になっていた。

 失恋や、人との別離の後、別れそのものも辛いけれど、その人と居たことによる習慣も失うことって相当辛い。
ヨシカにとってイチは内面化されていた分、アイデンティティを失うぐらいの辛さがあったはずだろう。

 この一連の描写がアイドルオタクとしてまっったく笑えなくてしんどかったです。
何回も笑いながら「いのおちゃんたすけて〜」って思ってたもん。

ヨシカにとってイチは同級生だったけど、抱く感情はオタクとアイドルに置き換えてもおかしくない。
わたしは自担の伊野尾ちゃんに対してガチ恋の感情は抱いてないですが、心の何処かにいつも住んでいるような存在、自分にとって都合の良い存在を失うとはとてもつらい。
そして、相手のことを見てるようで、結局自分の事しか愛してない。そういうところを突きつけられて自意識が死にました。

 終盤で「この10年絶対無駄じゃなかった」ってヨシカがブチ切れながら言うの、心の底から共感してしまった。
太宰に共感する人の気持ちが少しわかった。
恋愛だとわかりやすく付き合う、結婚するがゴールとして見えやすいけれど、ヨシカにとってイチはもう単なる恋愛対象ではない、信仰の対象、人生の一部になっていた。

 アイドルオタクに限らず、オタクをやっていると「対象が居なくなったら、かけた年月や金が無意味になってしまう」みたいな揶揄を受けることがあるけど、そこは自分の意地にかけても、「無駄じゃなかった」と思いたい。
そういう気持ちに近い感情が、ヨシカの雄叫びから伝わってきた。受け取り方間違っているだろうけど。

 イチがヨシカの内面化された存在として描かれているのに対し、ニが最初から最後まで"他者"として描かれているのが面白かった。
ヨシカにニがとって気にくわないこと、予定外のことばかり起こすのも、ヨシカのまわりの頭の中の人々との差が如実に表れていたし、他者から見たヨシカが、ヨシカにとってのニなのかもしれないというのがまざまざと感じられた。

 最初から最後までニは他者だったけど、最後の方でようやくニ自身の考えを吐露していった時、ヨシカは自分だけが物事を考えてるわけじゃないと、初めて理解したと思う。
偉人じゃなくてもいい、というのはヨシカにとっては逃げの言葉だろうけど、本当に必要な言葉だった。


 あとこの映画、衣装が本当に絶妙で楽しかった。
古着っぽいテイストで、垢抜けてるとは言い難いけれど、こだわりは確実にある、というのがヨシカの面倒臭さが表れていた。
なんかよくわかんないけどかわいい毛糸のキャップとか…大中で買った?

 履き古してペシャンコになったミネトンカと、ボルドーのエナメルのパンプスが、相手に対する感情の対比になってるのも見事だった。
飲み会のシーンで、ヨシカペッシャペッシャのミネトンカと、くるみちゃんのヒールの足が並んでるのもグッときた。

 そして何と言っても松岡茉優ちゃんのあの暗い発声、怖かったです。
身に覚えあるし、何人か周りにいる。
そしてあの表情筋の使い方の下手さ…あれを演技でやってるんだから怖い。
桐島、部活やめるってよ』であの嫌なスクールカースト上位の女の子を演じた人と思えない表情筋…。コミュニケーションが下手な人特有の目の表情の無さも、リアルで怖かった。




 まあ、エンドロールまで観て、最後の最後に頭の中に白抜きの文字で「現実に救済はない!」と浮かんできたんですよね。私には中学時代のイチも、現在進行形のニも存在しない!さて、これを観た後どうするか?という現実が突きつけられて死ぬかと思った。いのおちゃんたすけて〜。

ジャニーズオタクらしく、次はジャニーズのことを書きたい。おわり。


注釈1